第115回 八木天水桜花展 清韻スペクタクルの世界
於有楽町東京交通会館 B1F エメラルドルーム
2/13(日)〜 2/19(土)
八木天水氏は、1944年に愛知県に生まれ、2001年より和紙ちぎり絵の制作をしてきました。日本のみならず海外にも広く知られている方です。まさに、彩蜜和紙絵の至宝といえるでしょう。
日本の心を桜で描く ーーー 天水の芸術Ⅲより
天水の創作姿勢は、日本人ならではの「清・澄・シンプル」の美意識から発する。モチーフの事象を観察し、思念し、一つをとらえ、一つをすて幾つかの写意を組み立てた「観念の構成」(構成写実)を形成し、和の情緒を内在する着彩和紙を応用して仕上げる。
天水の魂ともいえる「観念の構成」と「日本の心」と「桜花」とがあいまって、鼎的に制作される作品は、常に「清冽な透明感」に貫かれて、その卓越した魂の表現は天水桜の「清韻スペクタクル」の奥深い味わいを遺憾なく発揮して何度見ても尽きない魅力を秘めているといわれる。
それは私たちが忘れかけていた「日本の心」を見い出し、希望と喜びを感じさせてくれるものでもある。日本人が積み上げてきた伝統文化をセレクトしながら「桜でえがく日本の心」という新しい藁を加えて綯った縄の先端にあればこそ「日本の心」を時代につなげてゆくさらなる工夫と努力が大切ではないかと思う。
コロナ禍、東京オリンピックの夏
桜人 八木天水
今回の作品展に展示されていない作品、特に桜の和紙ちぎり絵はかなりの数があり、どれも驚くほどの彩を放っています。淡から濃、浅から深の奥行きの様、このグラデーションは見る者を立ち止まらせ心を奪うほど鮮烈で、さらに懐古の感を呼び起こしてくれます。前述の清韻スペクタクルの奥深い味わいとはこのことではないでしょうか。
何度見ても、見るたびに新鮮で、サイズやインパクトのスケールに関わらず、しなやかさを伴った表現領域のの幅広さを感じます。作品が見る側に迫ってくるのではなく(実際にはかなり印象的には映ります)、何気に前を歩いていて立ち止まってこちらから気になって寄って見に行くという、徐に呼び止めらた感のあるなんとも粋で洗練された究極の美なのです。それからあとは、何度見ても最初に見た時の感動と同じものを呼び起こしてくれます。私もこのような書を書きたいものです。
どうか・・・一度ご覧いただきたいと願うばかりです。本当に素晴らしいものです。
日本三代桜
■ 『2000年の花』 山高神代桜(山梨県北杜市)
■ 『滝桜』 三春の滝桜(福島県三春町)
■ 『淡墨桜』 根尾谷の淡墨桜(岐阜県本巣市)
日本名勝地の桜
■ 赤富士
■ 洛東花舞台
■ 吉野山
■ 不忍の池
■ 新宿御苑の朝
■ トラピスチヌ修道院
■ 白川舞子
会場にて
■ 特設コーナー
■ 来訪した作家たち
左から
工芸作家 小鹿次子氏
画家 坂本富江氏
彩密天水氏
書家(筆者)菊地雪溪
■ 天水氏と雪溪
■ 制作工程
■ 和紙の拡大
■ 天水の芸術
■ アシスタントのご令嬢(中心)と
■ 会場入口より
2022年2月15日 菊地雪溪
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