主催 東京書作展 ・ 東京新聞
後援 文化庁 ・ 東京都
第44回東京書作展が下記日程にて開催されました。
場所 : 東京都美術館 二階 第一 〜 第三展示室
会期 : 11月18日(金)〜 11月24日(木)
時間 : 9時30分〜5時30分
最終日は2時30分まで(入場2時まで)
すでに閉会となってしまいましたが、この素晴らしい書作展にもう一度浸っていただきたく、また会場にお越しいただけなかった方々のためにも、この書作展を満喫して情感を味わっていただきたく掲載します。
書作展の主旨
文化は歴史の土台に築かれ、伝統を正しく受けつぎ、発展させて行くところに豊かな未来があります。
高い精神性を持ち、東洋文化の粋である書道が現代ではともすれば生きた国語生活から遊離し、いたずらに造形の為の造形に溺れる風潮なしとしません。しかし、時代は古典の背景のもとに練磨された本格的な書を求めようとしています。
真に実力があり、研鑽を怠らない全国の篤学の人のために、公募展「東京書作展」を開催いたします。
(東京書作展事務局からの開催案内より)
表彰式
開催初日の11月18日に各部門受賞者の表彰式が行われました。直前に展示会場を訪れると、既に一般入場者、出品者、審査員、事務局、新聞社、東京書作展関係者、その他多くの方々が来訪されていました。昨年同様ウイルスが完全に収束したとは言えない厳しい状況の中で、作品制作、指導、審査、主催者の運営など多くの困難がありましたが、無事開催に至り何よりも嬉しく思います。上位入賞者の表彰のシーンです。場内へは入場数制限がありましたのでこの様な写真の状況となりました。なお、下記の表彰者の中に東京都知事賞の小林茂樹氏を撮影することができませんでした。
東京書作展 展示会場
以降は以下の順にて作品を紹介します。入賞作品「内閣総理大臣賞」、「文部科学大臣賞」、「東京都知事賞」、「東京新聞賞」、「部門別特別賞 」、「依嘱 特別賞」並びに「依嘱」(筆者抜粋)。まだまだ掲載したい多くの作品があるのですが、勝手ながら上記に限らせていただきます。
まとめて観るとそれぞれかなりユニークで、各作家の創作エネルギーを感じ取ることができます。藝術の秋を醸し出しています。
入賞作品
「内閣総理大臣賞」「文部科学大臣賞」「東京都知事賞」「東京新聞賞」「部門別特別賞 」
内閣総理大臣賞 大賞
文部科学大臣賞 準大賞
東京都知事賞
東京新聞賞
会場に居合わせたご三名
左:高田月魁氏
今夏は様々な事情がありやっとの思いで出展したそうです。加えてオーストラリアからの参加ということもあり制作に関しては困難な状況も多々あった様ですが、こと作品制作に対しては並々ならぬ思いで臨んだとのことです。審査会でも多くの審査員がコメントを発していて、かなりインパクトを持たれていました。やはり筆力は群を抜いている感があります。海外に居ても私のブログはよくご覧いただいているそうで、国内状況を少し参考にされていると聞き嬉しくなりました。
中:前田深翠氏
力強い淡墨作品ですが、審査会でもお会いしていたので少しお話をお聞きしました。話が墨の摩り方や種類におよび、氏も苦労して自分なりの墨を作って作品を制作したとのことですが、紙に筆を落としてからしばらく経たないとその効果がはっきりとはわからない・・・同じ墨、同じ紙で書いても違ったりする、これは致し方ないとは言え、なかなか大変な作業であったそうです。一つ便利なのは早く乾くことか、などなど話しておりました。
右:水村瑞鳥氏
氏とも審査会でお会いしており、審査会リポートでも触れているのですが、非常に華麗というか流麗な作品を書かれる方で、かと思えば力強く緊張感のある作品も作る柔軟性を持たれている方です。前出の前田氏と仲が良いのか、いつもお二人でニコニコしておりました。
部門特別賞 第一部門(漢字・篆刻・刻字)/ 第二部門(仮名)
部門特別賞 第三部門(現代漢字仮名交じり文)/ 第四部門(小字数)
依嘱の部(特別賞含む)筆者抜粋
番外編
最後に番外編ですが、2019年5月、中国書の旅に参ったのですが、その時のメンバーの何人かが表彰式に出席していたので記念に撮影していただきました。今思えばとてもラッキーなタイミングの旅でした。
菊地雪溪
2022年11月24日
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